会 告 | 建築仕上フォーラム運営委員会 |
第19回 建築仕上フォーラム
「建築仕上げにおけるデジタルツインの技術展開
〜左官・各種工法編〜」のご案内 |
建築仕上フォーラムは、2002年に建築仕上環境フォーラムとして第1回の記念講演会を開催し、建築仕上げに関わる、設計、専門工事、建材メーカー、施工管理、研究者、行政等の実務者一堂が介して、横断的な情報交換を行い、問題解決の方向性を共有してきました。今回の第19回の建築仕上フォーラムは、「建築仕上げにおけるデジタルツインの技術展開」を主題として、シリーズ企画の第1弾を開催したいと思います。
さて、今日までの建築仕上げにおける仕組みづくりや社会との関わりには、伝統的な建築仕上げを支えてきた技能者らによる卓越した「ものづくり」の技術展開や職能の拡大を端緒とし、昨今は広く普及したSNS(Social Network Service)により、使用者を通じて社会での建築仕上げを介した「ものづかい」の様子なども広く自由に発信できるようになり、いわば次世代の新しい道具を手に入れた感があるといえます。実際は、上記の2つをうまく連動させて建築仕上げの役割や価値を表現していくことは、未だ幾つかのハードルがあると思われるのですが、「作り手」と「使い手」がともに共有できる仕組みを新たに構築することは、今後はより一層大きな意味を持つと思われます。
現在、デジタルツイン(Digital Twin)の技術により、現実のリアルに加えてバーチャルの世界を構築し、相互連携を図ることで、「ものづくり」の精度や安全性を向上させつつ、社会の中での「ものづかい」の場における認知や信頼性を高める相乗効果を同時に図るような動きが加速しています。そもそもデジタルツインとは、総務省や国交省ほかでその定義などが示されていますが、広くは現実世界にある空間の情報等を、IoT(Internet of Things)などを活用して取得・整理し、まるで双子であるかのようにデジタル上で実態に近いシミュレーションを行うことで、仮想の実物をリアルに再現する技術といえます。今、建築仕上げの技術分野で展開しつつあるDX(digital Transformation)においても、「ものづかい」を快適にするようなデジタル技術全般からの新しい価値の創出につながる仕組みが広く展開されつつあるため、デジタルツイン技術はその役割の一端を担うものになるといえましょう。
ちなみに他産業分野では、これらの技術・システムは早くから展開しており、例えば自動車産業における自動運転は、広く使用者向けの技術として規格・標準化がなされた運用システムが構築済であるが、完全な自動化にはまだいくつかの課題は残されています。医療分野における遠隔治療やロボット治療では、治療者の症状に対して、その適用の良否を使い分けしており、最終的には施術者による職人的な「使いこなす」技術が求められる傾向もあり、自動運転技術のように誰でも利便を得られるようにすることを主眼としたものとは異なるものといえます。
このように、建築仕上げにおけるデジタルツインの技術展開に関しても、建築仕上げが壁・天井・床・接合部などに多種多様な形で存在するため、実際には様々な対処レベルが存在してくるものと思われます。また社会全体では、DX環境が進展する中、建築仕上げの社会で喫緊の課題となっている人材問題に着目すれば、「省力化」「省人化」などに対応するため、デジタルツイン技術を踏まえた現実・仮想空間での情報の取得に始まり、仮想空間での動作指示のフィードバック等による施工現場における作業の補助・効率化をはじめ、技能レベル低下を防ぐ教育手法の展開、さらには自動化オペレーターという新たな職能の誕生なども今後は考えられます。
本格的なDX時代に突入する直前にある今、本フォーラムにより、建築仕上げのデジタルツイン技術の展開方法について、会員皆様と情報共有をするとともに、議論・討論を通じて、新たな建築仕上げの舞台を築くための一歩を踏み出しましょう。
フォーラム運営委員会 |
記 |
第19回 建築仕上フォーラム
「建築仕上げにおけるデジタルツインの技術展開 〜左官・各種工法編〜」 |
開催日時:2024年12月6日(金) 14〜17時(予定)
開催形式:ハイブリット開催(zoom + 建築会館3F304会議室,若干名)
講演者は会場からの講演とし、一般聴講の方は遠隔もしくは対面での参加方式となります。当日の会議資料は、会議開催前に参加費をお振込み頂いた聴講者に限り、ダウンロードによりパスワード付きpdfにて閲覧ができるようにします。
プログラム(予定、詳細はこのHPにて案内)
司会:フォーラム運営委員 土屋潤(九州大学・講師)
記録:フォーラム運営委員 福田眞太郎(東京工業大学・准教授)
1.開会挨拶 田村雅紀・フォーラム運営委員長(工学院大学・教授)
2.主旨説明
3.主題解説
1)建築仕上げにおける情報・デザイン・施工の多元化(仮題)
原田宗亮(原田左官工業所・代表取締役社長)
2)木・接合部への施工技能のデジタル情報取得と技術展開(仮題)
塚崎英世( 職業能力開発総合大学校・教授)
3)左官仕上げへのリアルハプティクス技術の適用と実装(仮題)
野崎貴裕(慶應義塾大学・准教授)
4.討 論 モデレータ:フォーラム委員 岡健太郎(職業能力開発総合大学校・助教)
5.閉会挨拶
参加 費:日本建築仕上学会会員・協賛団体会員 3,000円、会員外 5,000円、学生 1,000円(税込)
申込方法:下記の申込用QRコードよりお申込み頂くか、参加申込書をダウンロードし、記載の上、下記申込E-mailへ送付をお願い致します。振込み後、聴講アドレスをE-mailにてお送りします。 |
|
参加費支払:申込後、下記振込先へ締切日までに参加費の振込をお願い申し上げます。
【振込先】
銀 行 名:三菱UFJ銀行(金融機関コード:0005)
支 店 名:田町支店(043) 預金種目:普通 口座番号:0303145
口座 名義:日本建築仕上学会 会長 野口貴文 (ニホンケンチクシアゲガッカイ ノグチ タカフミ)
申込・振込締切:2024年12月5日(木)(定員になり次第締切となります)
注意事項
・聴講のためのインターネット環境は、各自ご用意をお願い致します。
・発表用資料のスクリーンショット撮影、録音、再配布を禁止致します。
・聴講用URLは、複数で共有出来ません。各自で申込をお願い致します。
|
申込・問合先:日本建築仕上学会 電話:03-3798-4921 E-mail:event@finex.jp |
|
写真1 建築仕上げにおけるデジタルツインの技術展開 |
|
FINEX 2023.9-10 |