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建築仕上フォーラム委員会

日本建築仕上学会 SDGs対応宣言

20211116

1.建築仕上げにおけるSDGs対応に向けて
 今日より四半世紀以上前、国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会」におけるOur Common Future(1987)の報告書において、持続可能な開発(Sustainable Development)に関する最初の包括的提言が示されました。そこでは、経済開発、社会開発的衡平性ならびに環境保護の3つの柱を等しく意識した社会の形成が強く推進されることになりました。現在、世界中で地球温暖化の防止対策が打ち出されつつも地球全体を取り巻く環境は既に大きく変貌しており、温室効果ガスの排出に起因する気候変動は激しさを増し、様々な自然災害のリスクが急速に高まる気候危機の段階に直面しつつあります。国際的にも、この気候危機への対応・回避そのものが、様々な生活や社会基盤の維持と発展の道筋を保つ上での命題となりつつあります。
 これらの状況を踏まえ、日本建築仕上学会では、2019年に開催された学会設立30周年記念シンポジウムにて、世界的動向となりつつあるSDGsを意識した取組みを推進する必要性が示されました。そして、本学会フォーラム委員会では、本学会学術委員会との協議を経て、第15回の建築仕上フォーラムにおいて「建築仕上げにおけるSDGsとその未来 〜SDGsの端緒と近年の取り組み〜」を開催しました。このように、本学会がこれまでに培ってきた技術・仕組みを活かし、建築仕上げが重点を置いて取組むべきSDGsの行動計画の明確化とその実現に向けて、学会の立場からリーダーシップを発揮し,会員である個人や企業・団体を核とした本学会としてのSDGs対応宣言を示すことで、広く社会にその重要性を伝える活動を行うことになりました。ていくこととしました。
 日本建築仕上学会は広く社会に次に示すSDGs対応宣言を公表します。そして、やがて来る2030年に向けて、建築仕上げに関わりがある皆様方とともに、SDGs対応に向けた行動計画を実践し、その果実が社会全体におけるサステナビリティに広く貢献するものになることを目指します宣言。
2021年11月 日本建築仕上学会
フォーラム委員会・学術委員会
 
[SDGs17のゴールについて]

SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)
2001年に国際的な協調のもとで策定されたミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)を引き継ぐため、2015年のに国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を踏まえて、2030年までに全17のゴールに根ざす持続可能な世界の実現を目指す取り組みとして位置づけられたものである。国内では、2015年にSDGsが採択され、政府内にSDGs推進本部が設置された後、行政、民間、NGO等、各種団体等を含めた幅広いステークホルダーで構成されるSDGs推進円卓会議にて、今後の取組みの指針となるSDGs実施指針が示されており、現在の全産業的な活動に広く反映されている。

 1 貧困をなくそう No Poverty
 2 飢餓をゼロに Zero Hunger
 3 すべての人に健康と福祉を Good Health and Well-being
 4 質の高い教育をみんなに Quality Education
 5 ジェンダー平等を実現しよう Gender Equality
 6 安全な水とトイレを世界中に Clean Water and Sanitation
 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに Affordable and Clean Energy
 8 働きがいも経済成長も Decent Work and Economic Growth
 9 産業と技術革新の基盤をつくろう Industry, Innovation, and Infrastructure
 10 人や国の不平等をなくそう Reduced Inequalities
 11 住み続けられるまちづくりを Sustainable Cities and Communities
 12 つくる責任 つかう責任 Responsible Consumption, and Production
 13 気候変動に具体的な対策を Climate Action
 14 海の豊かさを守ろう Life below Water
 15 陸の豊かさも守ろう Life on Land
 16 平和と公正をすべての人に Peace, Justice and Strong Institutions
 17 パートナーシップで目標を達成しよう Partnerships for The Goals

2.日本建築仕上学会で目指すSDGs対応に向けた4つの行動計画
 本学会におけるSDGs対応宣言は、2002年3月に公表された日本建築仕上学会「環境宣言」の考え方に基礎を置いています。  本これらは,本宣言の基盤になるものとして認識される一方で,宣言においては、SDGsの17のゴールがは,環境宣言に示される示す時間的・空間的な広がりに対応しを大きく広げるものになることから、建築仕上げ特有のゴールを実現する具体的な目標や活動内容などを行動計画として反映しています。意識して,4つの行動計画を定めることとなりました
 本宣言を定める準備段階として、2019年の本学会設立30周年記念シンポジウムにおいて示された「未来の建築を支える100の建築仕上技術」、および第15回建築仕上フォーラムで示された、「本会・大会研究発表論文におけるSDGs17のゴールとの関係」の報告内容を考慮しました。また、社会動向との乖離をなくすために、2019年に示された一般財団法人日本建築センターにおける「建築産業にとってのSDGs−導入のためのガイドライン−」の報告内容、および2020年に示された一般社団法人日本建築学会の「SDGs建築行動宣言」における7つの行動方針計画を考慮し、最終的に本会フォーラム委員会での議論を経て通じて、本宣言を取り纏めました。
 次に示すSDGs対応宣言は、建築仕上げに直接関わる内容から建築物ならびに周辺環境まで広く関係する4つの行動計画で構成されています。これら行動計画はこれらは主に、現在、SDGsに関する13のゴールが相互に関係する形で構成されていますが、各々のの行動計画実現に向けた現在の取組みの程度には差があり、将来もその組合わせと重みの程度は変化するといえます。捉えられる従って、本宣言では、それぞれの行動計画とその内容に関する刷新も広く認められるものとして位置づけ、常に時代に対応する新たな方向性を模索ながら取り組むものとします。,SDGs対応宣言を示すに至りました。
日本建築仕上学会 SDGs対応宣言

a. 高い安全性・耐久性のある建築仕上げを実現し、建築の長寿命に貢献します。

 高い安全性・耐久性を備え、建築物の保護を促し、豊かなエイジング性を生み出すような材料・工法の研究開発を進めるとともに、品質・性能に対する信頼度を高められるような仕上工事を実行することで、建築物の長寿命化さらにはそれらが集積した良好な建築ストックの構築に務める。

b. 建築の室内環境から周辺環境まで、空間の質が良好になる建築仕上げを創ります。

 植物・動物・人など、建築と深く関わる生物が過ごす室内や建築周辺の環境において、原材料に含まれる物質などにより、それらの生理や健康状態に影響を及ぼすことがない建築仕上げを開発する。また、海や陸などから生み出される素材を建築仕上げに用いることにより、自然に対する感謝を促すとともに、自然素材に囲まれて過ごす空間の有り難さや、風土に根差した景観形成に資する意識を高めていけるように取り組む。

c. 建築のライフサイクル全体を通じ、資源循環と脱炭素化を促す環境性に優れた建築仕上げを創ります。

   建築仕上材は、建築内外の様々な部位に対して長きに渡り使用される。建築物の新設段階から、使用段階そして解体処理段階など、ライフサイクル全体を通じて廃棄物の発生抑制、資源の有効利用が図られるように取組むとともに、温室効果ガスの排出による気候危機の影響を回避させられるような脱炭素化を促す仕組みを、積極的に導入する。

d. 建築仕上げを支える幅広い人材を育成し、仕事をする誇りを高めます。

 建築仕上げに関わる担い手は、古くから互いの協力をもとに人々との協同、建築を作り・守る活動を続けてきた。今後はより一層,技能者や技術者などその関わりを維持するために、担い手の年齢層やジェンダー意識に大きな偏りが生じないようなないように教育・労務環境の改善・向上を図るとともに、組織レベルでの横断的なパートナーシップを相互に高め合うことに取り組む。そのうえでり,、様々な職種における能力開発を推進することでに務める必要がある。そして,組織レベルでの横断的なパートナーシップを相互に高め合うことで,、全ての担い手が、建築仕上げの仕事に対して誇りを持ち続けられるような社会環境を構築する。


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